「総務さん、Wi‑Fiがつながらないんですけど……」

IT担当を兼ねている総務なら、一度は聞く相談だと思います。

私が実際に対応したケースでは、新品PC2台だけが同じSSIDへ接続しても「インターネットなし」になりました。

他のPCは同じSSIDで使えています。

最初に“Wi‑Fiが原因”と決めつけない

まず他の人はつながるか、スマホはつながるかを確認します。

複数端末が全滅ならネットワーク側、1〜2台だけなら端末側の可能性が高まります。

「接続済み」と「インターネット利用可」は別

Wi‑Fiマークが出ていても、その先へ通信できないことがあります。

「Wi‑Fiにはつながっていますか?」「他サイトも開けませんか?」と症状を分けます。

IPアドレスを見る

問題のPCでは、IPアドレスが169.254.x.xになっていました。

社内で通常使っているIP帯とは違います。

この状態なら、DHCPから正常なIPを取得できていない可能性を考えます。

169.254.x.xが示すこと

WindowsがDHCPからIPを取得できない場合、自動的に169.254.x.xのアドレスを持つことがあります。

SSIDに接続できていても、社内ネットワークへ正常参加できていない状態です。

一度切断・再接続する

Wi‑Fiを切断し再接続、PC再起動など基本対応を試します。

機内モード・アダプター状態を見る

意外と単純な設定が原因のこともあります。

同じ新品PCが2台とも同症状という点を見る

1台だけなら個体差を疑いますが、新品2台で同じ症状なら、初期設定、ドライバー、社内ネットワークとの相性など共通要因を考えます。

DHCP取得を確認する

IP設定が自動取得になっているか、DHCPからアドレスを受け取れているかを確認します。

ネットワーク設定をむやみに変えない

固定IPを適当に設定すると、一時的につながっても重複や別トラブルを起こす可能性があります。

社内ネットワークの設定ルールを確認します。

ベンダーへ渡す情報を残す

  • PC型番
  • SSID
  • IPアドレス
  • 同じSSIDの他端末は正常か
  • 新品2台とも同じか
  • 試した操作

私がこのケースで重要だと感じた3つの判断材料

1.同じSSIDの他PCは正常だった

最初に大きかったのは、同じSSIDを使っている他のPCは問題なくインターネットへ接続できていたことです。

この時点で「社内Wi-Fi全体が落ちている」と考えるより、問題が起きているPC側、またはそのPCと社内ネットワークの間に原因がある可能性を優先して考えました。

2.新品PC2台で同じ症状が出た

1台だけなら個体不良も候補になりますが、新品のPC2台で同じ症状が出ていました。

そこで、単純な故障だけでなく、同じ機種・同じ初期設定・同じネットワークアダプターやドライバーなど、2台に共通している条件を洗い出す方が効率的だと考えました。

3.SSIDには接続できてもIPを取得できていなかった

画面上はSSIDへ接続できていても、IPv4アドレスを見ると169.254.x.xでした。

この状態なら、「Wi-Fiの電波をつかめない」のではなく、接続後にDHCPから社内ネットワークで使うIPアドレスを正常取得できていない可能性を考えます。

ipconfigで見るのはIPv4アドレスとデフォルトゲートウェイ

Windowsではコマンドプロンプトでipconfigまたはipconfig /allを実行すると、ネットワーク情報を確認できます。

私なら、まずWi-Fiアダプターの項目で次を見ます。

  • IPv4アドレスが通常の社内ネットワーク帯か
  • 169.254.x.xになっていないか
  • デフォルトゲートウェイが取得できているか
  • DHCPが有効になっているか

「SSIDに接続済み」という表示だけで判断せず、IPまで見ると切り分けが一段進みます。

「メディアが接続されていません」が出ても、どのアダプターかを見る

確認中に、ローカルエリア接続などで「メディアが接続されていません」と表示されることがあります。

Windowsには、実際に使っているWi-Fi以外にも仮想アダプターなど複数のネットワーク項目が表示されることがあります。

そのため、その表示だけを見て「これが原因だ」と決めず、今接続に使っているWi-Fiアダプターの状態を確認します。

設定を変える前に、正常なPCと比較する

同じSSIDにつながっている正常なPCがあるなら、それが一番分かりやすい比較対象になります。

SSID、IPの取得方法、IPv4アドレスの傾向、デフォルトゲートウェイなどを見比べると、「正常なPCと何が違うか」を整理しやすくなります。

いきなり固定IPを入力したり、ネットワーク機器の設定を変更したりする前に、まず差分を確認する方が安全です。

総務がベンダーへ渡すなら「症状」ではなく「切り分け結果」まで渡す

「Wi-Fiにつながりません」だけで問い合わせるより、次の状態まで伝えると話が早くなります。

  • 新品PC2台で同じ症状
  • 同じSSIDの既存PCは正常
  • SSID自体には接続できる
  • インターネットなしになる
  • IPv4が169.254.x.xになる
  • DHCPから正常なIPを取得できていないように見える
  • 再接続・再起動など実施済みの操作

総務がすべて解決する必要はありません。ここまで整理できれば、ベンダーや専門担当が次に確認する範囲をかなり絞れます。

切り分けができれば解決は速くなる

総務がネットワーク機器を全部直せる必要はありません。

「全員か一部か」「Wi‑Fi接続か、その先の通信か」「IPが正常か」を整理できれば、IT担当やベンダーへ正確に渡せます。

AP側まで含めた日常管理や、SSID・設置場所・障害範囲の切り分けは、社内Wi‑Fiアクセスポイントを総務が管理するときの基本でも整理しています。

社外からの接続で似た症状が出た場合は、VPNがつながらないとき総務が切り分けることもあわせて確認してください。VPN設定を見る前に、通常回線とIP取得が正常かを確認する考え方は共通です。

まとめ

新品PCだけWi‑Fiが使えない場合は、影響範囲 → 接続状態 → IPアドレス → DHCP → 共通要因の順に切り分けると整理しやすくなります。

Wi‑Fi・ネットにつながらないときの切り分け方も参考にしてください。