合同企業説明会や企業説明会に参加するとき、「何を見ればいいのか分からない」「とりあえず話を聞いて終わってしまった」という学生は少なくありません。

私は人事総務として新卒採用を担当し、毎年多くの学生と接してきました。会社説明会、合同企業説明会、会社見学、面接、応募書類。採用する側として見ていると、説明会の使い方にはかなり差があります。

先に結論を言うと、説明会は企業に評価されるための場というより、自分が働く会社を探すために情報を取りに行く場です。

採用担当として、合同企業説明会で毎年「もったいない」と感じること

企業は、合同企業説明会にかなりのお金をかけています。

私が採用側で参加してきた経験では、出展費だけでなく、ブース設営、パンフレット、採用担当者の人件費、交通費などがかかります。規模によっては数十万円、大きなイベントなら数百万円単位になることもあります。

それだけコストをかけてでも、企業は「学生と直接会いたい」と考えて会場へ出ています。

一方で、会場を見ていると毎年「せっかく来たのにもったいないな」と感じる学生もいます。

  • 会場を一周して終わる
  • 企業の人と会話したがらない
  • 声をかけられても相談や説明を断る
  • 休憩スペースで長時間スマホを見ている
  • 友達と一緒に行動するだけで、気になる企業へ入らない

もちろん、無理に興味のない会社の話を聞く必要はありません。

ただ、時間と交通費を使って会場まで来たのであれば、少なくとも「知らなかった会社を一社知る」「気になる会社へ一つ質問する」くらいは持ち帰ってほしいと思っています。

「有利になるために目立つ」は考えなくていい

合同企業説明会について、「採用担当に顔を覚えてもらえば選考で有利になりますか?」と考える学生もいると思います。

私は、そこを目的にしなくていいと思っています。

大切なのは、採用担当へアピールすることより、求人票や企業サイトだけでは分からない情報を集めることです。

実際に社員と話すと、文章では分からなかった会社の雰囲気や仕事の具体像が見えてきます。

参加前に「見る会社」を少しだけ決めておく

大きな合同企業説明会では、多くの企業が出展しています。当日会場に着いてから全部を比較しようとすると、かなり疲れます。

事前に出展企業一覧を確認し、次の3つくらいに分けておくと回りやすくなります。

  • 必ず話を聞きたい会社
  • 少し気になる会社
  • 当日初めて知ったら見てみたい会社

第一志望の会社だけを見る必要はありません。むしろ、名前を知らなかった会社の話を聞けることが合同企業説明会の良さです。

新卒就活の会社研究は何を見る?も事前準備に使えます。

説明を聞くときは「会社概要」より仕事内容を見る

売上高や拠点数などの会社概要は、あとからWebサイトでも確認できます。

会場で直接聞く価値があるのは、そこで働いている人だから答えられる話です。

たとえば、私は次のような質問なら学生にぜひ聞いてほしいと思います。

  • 若手社員は入社後、どんな仕事から担当しますか?
  • この仕事に向いているのはどんな人ですか?
  • 一日の仕事の流れを教えてもらえますか?
  • 忙しい時期はいつですか?
  • 実際に働いていて大変だと感じることは何ですか?

難しい質問を準備する必要はありません。

自分が入社したときに困らないために知りたいことを聞けば十分です。

私は学生の「質問内容」より、情報を取りに来る姿勢を見ています

採用担当として学生と話していると、「何を質問すれば評価されるか」を気にしている人がいます。

しかし、質問のレベルを採点しているわけではありません。

会社や仕事について知ろうとしているか。説明を聞いたうえで疑問を持てているか。その方がずっと大切です。

「実際、残業って多いですか?」のような質問でも構いません。働くうえで本人が気になることなら確認した方がいいと思います。

会社ごとに「3つだけ」記録すると後で比較しやすい

合同企業説明会で一番起きやすいのが、帰宅したあとに「結局どの会社が何を話していたか分からない」という状態です。

何社も話を聞けば、記憶が混ざるのは当然です。

そこで、会社ごとに最低限次の3つだけ記録しておくことをおすすめします。

  1. 印象に残った仕事内容
  2. 良いと思った点・気になった点
  3. 次に確認したいこと

パンフレットへ直接書いても、スマホへメモしても構いません。

重要なのは、帰宅後に会社を思い出せる状態を作ることです。

気になる会社では「誰と話したか」も残しておく

個別に採用担当者や社員と話した場合は、担当者の名前や話した内容も簡単に残しておくと便利です。

後日の会社説明会や面接で同じ方に会うこともありますし、質問への回答を会社比較にも使えます。

名刺をいただき、個別に時間を取って質問へ答えてもらった場合は、必要に応じて簡単なお礼を送ってもよいと思います。

就活メールの書き方で基本をまとめています。

本当に大事なのは「帰宅後に何をするか」

合同企業説明会は、参加しただけでは就活はほとんど進みません。

私は、気になる会社を見つけたあとに次の行動まで決めておくことが重要だと思っています。

  • 企業サイトをもう一度見る
  • 採用ページを確認する
  • 説明会や会社見学へ申し込む
  • 質問した内容をメモへ残す
  • 他社と比較する
  • 応募するか判断する

時間がたつほど、会場で感じた印象や担当者の話は忘れていきます。

できれば当日か翌日までに、一度整理しておくのがおすすめです。

会社見学では、学生側も会社を見てほしい

説明会の次に会社見学へ進む場合、学生側も会社を確認する機会だと考えてください。

私は採用担当として、会社見学では説明を聞いている時間だけでなく、挨拶、時間、質問する姿勢、移動中や待機中の様子なども自然に目に入ります。

ただし、これは学生だけが見られているという意味ではありません。

学生側も、社員同士の雰囲気、職場の様子、働いている人の表情などを実際に見られます。

会社側も学生を見ているし、学生側も会社を見極める。会社見学はそのための場だと思っています。

合同企業説明会は「何社回ったか」より「次につながったか」

10社回ったのに何も覚えていないより、3社しか回っていなくても、そのうち1社について仕事内容を理解し、次の説明会へ申し込めた方が意味があります。

合同企業説明会に参加するときは、次の4つを意識してみてください。

  • 何を質問するか
  • 何を記録するか
  • 誰と接点を持ったか
  • 帰宅後に何をするか

ここまで決めておくだけでも、「とりあえず参加したけれど何も覚えていない」という状態はかなり減らせます。

まとめ

採用担当として毎年学生と接していると、説明会で一番もったいないのは、知らない会社と話せる機会が目の前にあるのに、何も持ち帰らず終わってしまうことだと感じます。

説明会で無理に目立つ必要はありません。

話を聞く。質問する。記録する。帰ってから調べる。

この繰り返しだけでも、自分に合う会社はかなり見つけやすくなります。

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