新卒就活の業界研究というと、業界地図を読み込んだり、売上ランキングを覚えたりするイメージがあるかもしれません。

でも、採用担当として学生を見てきた立場からすると、業界研究の目的は詳しくなることではなく、会社を比べる基準を持つことです。

私自身、新卒時は業界研究をほぼしていませんでした

私の新卒就活では、企業研究も自己分析もほとんどせず、最初に内定が出た会社で就活を終えました。

今振り返ると、「その会社が悪かった」という話ではなく、そもそも自分がどんな業界・仕事・働き方を選びたいのか比較する材料が少なかったと思います。

だから今は、学生に「一社だけ見て決めるより、知らない会社も少し見てほしい」と伝えています。

業界研究で最初に見るのは「誰がお客さんか」

同じ商品を扱う会社でも、顧客が個人か法人か、行政かで仕事の進め方は変わります。

営業職なら誰と話すのか、総務ならどんな社員や拠点を支えるのか、仕事のイメージが変わります。

何を売って、どう価値を出しているかを見る

モノを売る会社、サービスを提供する会社、システムを提供する会社では、収益の作り方も関わる職種も違います。

「有名企業だから」だけではなく、会社が何でお金をもらっているのかを理解すると、仕事内容が見えやすくなります。

同じ職種でも業界で仕事は変わる

たとえば総務でも、製造業、IT、建設、サービス業では、関わる設備、社員、契約、リスクが違います。

営業も、個人向けか法人向けかで提案方法や関係性が変わります。

職種だけではなく、業界との組み合わせで仕事を見ると具体的になります。

「伸びている業界」だけで選ばない

成長市場だから自分に合うとは限りません。

業界研究では将来性も見ますが、それ以上に、自分がその顧客や商品、働き方に興味を持てるかを確認します。

知らない会社を避けない

採用担当として合同企業説明会へ参加していると、学生が知っている会社だけを回り、知らない会社には入らない場面をよく見ます。

でも世の中には、知名度は高くなくても、福利厚生、若手の活躍、待遇、働き方などに特徴のある会社がたくさんあります。

せっかく説明会へ行くなら、知らなかった会社を一社だけでも聞いてみると選択肢が広がります。

新卒の企業説明会は何を見る?も参考にしてください。

業界研究は3〜5社を並べると分かりやすい

一社だけ見ても、その会社が普通なのか特徴的なのか分かりません。

同じ業界で3〜5社くらい並べて、次の項目を比較してみてください。

  • 主な顧客
  • 商品・サービス
  • 売上の作り方
  • 募集職種
  • 勤務地
  • 若手社員の仕事
  • 働き方

ランキングは入口として使う

売上高やシェアなどのランキングを見ること自体は悪くありません。

ただし、「上位だから自分に合う」とは限りません。

ランキングは会社を知る入口にして、その後に仕事内容や社員の働き方まで確認します。

業界研究で分からないことは説明会で聞く

Webで調べても、若手社員の実際の仕事や繁忙期、配属の考え方までは分からないことがあります。

そこは会社説明会やOB・OG訪問、会社見学で補います。

業界研究と会社研究は分ける

業界研究は「この世界ではどんな会社があり、どう違うのか」を見る作業です。

会社研究は、その中の一社を深く見る作業です。

新卒就活の会社研究へ進むと、説明会・会社見学まで含めて比較できます。

自分の就活軸とつなげる

業界研究をしても、情報を集めるだけでは会社選びにつながりません。

勤務地、仕事内容、休日、成長機会、顧客との関わり方など、自分が何を大切にするかと照らします。

まとめ

業界研究は、業界名や会社名を暗記する作業ではありません。

顧客・商品・職種・働き方・会社ごとの違いを比較して、自分がどこを見たいのか決めるための作業です。

私自身、ほとんど比較せず就活を終えた経験があるからこそ、今は「知らない会社を一社だけでも見てみる」ことをおすすめしています。