メールサーバーの移行は、単に「新しいメールサービスを契約する」だけでは終わりません。

私の会社でも、既存のメールサーバーからExchange Onlineへ移行する計画を進めています。実際に整理してみると、ドメイン、DNS、既存メール、ユーザー、スマートフォン、転送設定など、総務・情シス側で確認する項目がかなり多いことが分かりました。

この記事では、移行前に私が整理した確認ポイントをまとめます。

まず現在の構成を図にする

最初にやったのは、現在のメール・ドメイン・Webサーバーの関係を整理することでした。

会社によっては、ドメイン管理会社、メールサーバー、Webサーバーがすべて別になっています。この状態でDNSだけを書き換えると、メール以外のサービスへ影響する可能性があります。

そのため、次のように分けて整理します。

  • ドメインをどこで管理しているか
  • 現在のメールサーバーはどこか
  • Webサーバーはどこか
  • DNSを実際に管理している場所はどこか
  • 現在使っている転送設定はあるか

移行対象のメールアドレスを確定する

次に、実際に使っているメールアドレスを洗い出します。

社員個人のアドレスだけでなく、info、採用、請求書、問い合わせなどの共有アドレスが残っていることがあります。また、退職者や過去のシステム用アカウントが残っていないかも確認します。

移行前にアカウントを整理すると、新環境で不要なライセンスやメールボックスを作らずに済みます。

DNS切り替え前に確認する項目

Exchange Onlineへ切り替える場合、メール配送に関係するDNSレコードを変更します。

ただし、変更するレコードだけを見るのではなく、現在の値を必ず控えておきます。私なら少なくとも、メール配送、送信元認証、クライアント接続に関係するレコードを一覧にして、変更前後を比較できる形にします。

DNS変更は、元へ戻す必要が出たときのために「変更前の値」と「変更した時刻」を残しておくことが重要です。

メール移行で忘れやすいのはスマホと周辺システム

PCのOutlookだけ設定すれば終わりではありません。

  • スマートフォンのOutlook
  • 複合機やシステムからのSMTP送信
  • Webサイトのお問い合わせ通知
  • 請求書システムなどの送信元アドレス
  • 自動返信や転送設定

メールサーバーを変えると、このような周辺設定が影響を受けることがあります。

切り替え日は「全員が使えるか」を確認できる日にする

DNSを書き換えた直後は、メールが新旧どちらへ届くかを確認する時間が必要です。

そのため私は、切り替え日には担当者がすぐ確認できる体制を作り、少なくとも社内送信、外部からの受信、外部への送信、スマホ受信をテストできるようにしておくべきだと考えています。

移行後すぐ旧サーバーを止めない

切り替えが成功したように見えても、すぐ旧環境を削除するのは避けます。

受信漏れがないか、過去メールが必要ないか、転送設定が残っていないかを確認し、一定期間は旧環境を確認できる状態にしておく方が安全です。

まとめ

メールサーバー移行は、DNSだけの作業ではありません。

現行構成の把握、ユーザー整理、DNS変更、Outlookやスマホ、周辺システムの確認、切り替え後の検証までを一つのプロジェクトとして考える必要があります。

Microsoft 365の基本については、総務が覚えておきたいMicrosoft 365・Outlook・Teamsの基本も参考にしてください。