新卒の志望動機でよく見るのが、「御社の企業理念に共感しました」という文章です。

共感すること自体は悪くありません。ただ、それだけではなぜ他社ではなくその会社なのかが分かりません。

採用担当として知りたいのは、会社の言葉をどれだけ覚えているかではなく、「何を見て興味を持ち、自分のどんな経験とつながったのか」です。

私自身、新卒時は企業研究も自己分析もほぼしていませんでした

今は採用担当として学生へ会社研究や自己分析の大切さを伝えていますが、私自身の新卒就活は決して模範的ではありません。

当時は仕事や働き方を深く考えず、企業研究も自己分析もほとんどしないまま選考へ進み、内定が出たところで就活を終えました。

だからこそ今は、早く内定を取ることより、自分がなぜその会社を選ぶのかを一度立ち止まって考えることが大切だと思っています。

志望動機は「会社を褒める文章」ではない

「業界トップだから」「成長企業だから」「理念が素晴らしいから」だけでは、自分との接点がありません。

志望動機は、会社紹介を書く欄ではなく、自分と会社の接点を説明する欄です。

まず会社が何をしているか理解する

最初に、誰に何を提供している会社なのか、応募職種でどんな仕事をするのかを確認します。

採用ページだけでなく、サービスページ、会社概要、ニュース、説明会、会社見学も使います。

新卒就活の会社研究で詳しく整理しています。

次に「自分がなぜ興味を持ったか」を掘る

会社の特徴を一つ選び、その特徴に興味を持った理由を自分の経験から探します。

たとえば、アルバイトで裏方の改善をした経験があり総務に興味を持った、授業で特定業界を調べて顧客課題に興味を持った、というようにつなげます。

企業理念を使うなら「なぜ共感したか」まで書く

理念を引用するだけでは、他の学生も同じ文章になります。

自分の経験の中で、その価値観に近い行動をしたことがあるのか。なぜその考え方を大切にしたいのか。そこまで書くと自分の言葉になります。

「成長したい」だけでは会社側のメリットが見えない

成長したい気持ちは大切です。

ただし、会社は学生の成長だけを目的に採用するわけではありません。

「〇〇を学びたい」に加えて、「その経験を活かして〇〇の仕事に関わりたい」と仕事への接続まで考えます。

応募職種まで具体化する

会社への興味だけでなく、その会社で何をしたいのかを書きます。

同じ会社でも営業・技術・管理部門では仕事内容が違います。応募職種の仕事を理解したうえで、自分の強みや経験がどこで活かせそうかを考えます。

志望動機は4つの順番で作る

  1. 会社・仕事:どこに興味を持ったか
  2. 自分の経験:なぜそう思うようになったか
  3. 応募職種:どの仕事に関わりたいか
  4. 入社後:自分の強みをどう活かしたいか

この順番なら、会社の褒め言葉だけになりにくくなります。

他社にもそのまま使える文章になっていないか確認する

会社名だけ入れ替えて使える志望動機なら、その会社を選ぶ理由がまだ浅い可能性があります。

一文だけでも、その会社の仕事内容・社員から聞いた話・会社見学で感じたことなど、自分が実際に確認した情報を入れてみてください。

説明会・会社見学で感じたことは強い材料になる

学生から「ホームページだけでは分からなかった」「実際に会社を見て印象が変わった」と聞くことがあります。

そのような一次情報は、志望動機を自分の言葉にしやすい材料です。

企業説明会で何を見る?も参考にしてください。

面接で話せる内容にする

ESだけ立派でも、面接で「なぜそう思ったのですか?」と聞かれて答えられなければ苦しくなります。

完成した文章を丸暗記するのではなく、「会社のどこに興味を持ったか」「自分のどの経験とつながったか」を説明できる状態にします。

志望動機が出てこないなら、まだ判断材料が足りない

無理に文章を作る前に、会社研究へ戻って構いません。

説明会へ参加する、社員へ質問する、同業他社と比較する。情報が増えると、「ここが自分に合いそう」「ここは違うかもしれない」という感覚が出てきます。

まとめ

志望動機は会社を褒める文章ではありません。

会社・仕事を理解し、自分の経験とつなぎ、なぜその会社で働きたいのかを説明する文章です。

私自身、企業研究をほぼしないまま就活を終えた経験があるからこそ、内定の早さより「納得して選ぶこと」を大切にしてほしいと思っています。

新卒就活の自己分析もあわせて使ってください。