転職軸の決め方|採用担当・転職経験者が「譲れない条件」を整理する方法
転職活動を始めると、年収、勤務地、休日、仕事内容、会社規模など、たくさんの条件が目に入ります。
そのたびに条件を変えていると、どの会社が自分に合うのか分からなくなります。
私はこれまで4回転職しています。転職をすすめたいわけではありませんが、その経験から感じるのは、求人を見る前に「何を変えたい転職なのか」を決めておくことが大切だということです。
転職軸は「理想の会社リスト」ではない
全部の条件を満たす会社を探すものではありません。
自分が会社を比較するときに、何を優先するかを決める基準です。
まず「辞めたい理由」をそのまま書く
きれいにまとめる必要はありません。
- 給料が低い
- 仕事がつまらない
- 通勤がつらい
- 上司と合わない
- 休みが少ない
- 成長できない
最初は不満で構いません。
不満を「次の会社でどうしたいか」に変える
「給料が低い」なら「最低いくら必要か」。
「仕事内容が合わない」なら「どんな仕事を増やしたいか」。
不満を希望条件へ変換すると、求人比較に使える軸になります。
3段階に分ける
- 絶対条件:満たさないなら応募しない
- 希望条件:できれば満たしたい
- 妥協可能:他条件が良ければ譲れる
すべて絶対条件にすると求人がなくなります。
仕事内容は職種名だけで決めない
同じ総務でも、会社によって庶務中心、採用中心、情シス兼任など担当範囲は違います。
職種名ではなく、実際の仕事内容を見ます。
年収は「最低ライン」と「希望」を分ける
希望年収だけでなく、生活上これ以下は難しいという最低ラインを整理します。
賞与や手当、固定残業代の有無も含めて比較します。
勤務地は通勤時間で考える
地名だけでなく、実際の通勤時間や出社頻度で見ます。
片道30分の差でも、年間ではかなりの時間になります。
私が実際に重視してきたのは「勤務地・年収・仕事内容」
私自身、転職先を選ぶときは、特に勤務地・年収・仕事内容を見てきました。
仕事内容については、単に興味があるかではなく「自分の得意分野を活かせるか」を重視しています。仕事を続けるうえでは、毎日苦手なことだけを頑張り続けるより、自分の経験や得意分野を使える環境の方が再現性が高いと感じているからです。
一方で、転職を経験してからは会社へ理想を求めすぎないことも大切だと考えるようになりました。どの会社にも良い面と合わない面があります。
転職軸は「完璧な会社を探す条件」ではなく、自分が無理なく働き続けるために最低限守りたい条件として整理する方が実用的です。
働き方も転職軸に入れておく
新卒で働き始めた頃の私は、「社会人になったら学生気分を捨てて努力しないといけない」「アルバイトの手本にならないといけない」と考えすぎていました。
長時間働くのにペース配分を考えず、休憩時間まで削って仕事をしていました。結果として働き方を見直すことになり、最初の会社は休職を経て退職しています。
この経験から、今は「頑張れる会社か」より「無理なく続けられる会社か」を見るようになりました。
休日や休憩時間には仕事から離れる。会社にも自分にも過度な期待をしない。毎日100点を出し続けようとしない。長く働くには、こうした考え方も必要だと感じています。
年収や勤務地のように数字で比較しやすい条件だけでなく、「無理なく続けられる働き方か」も転職軸へ入れてください。
退職後は「次に使える武器」を作るところから始めた
最初の会社を離れたあと、私はすぐに次の会社へ入ったわけではありません。
もう一度働くために自分に武器が必要だと考え、独学で簿記を勉強しました。その後、建設業の経理課へ転職し、未経験の経理職から仕事を再スタートしています。
ここで分かったのは、転職軸は「理想の会社を探す条件」だけではないということです。
今の自分ができること、これから身につけられること、無理なく続けられること。この3つが重なる仕事を探す方が、実際の転職では使いやすい基準になります。
未経験職種へ転職するには?では、未経験の経理へ転職した経験をもとに、経験や学びを次の仕事へつなげる考え方をまとめています。
転職軸は「面接で確認する質問」まで変換する
転職軸を決めても、求人票だけでは確認できないことがあります。
たとえば「残業は少ない」と説明されていても、会社としては早く帰ってよい方針なのに、実際には周囲が1時間ほど残っているということもあります。制度と社風は同じではありません。
そのため、私は条件を決めたら、選考中に確認する質問までセットで考えるのが良いと思っています。
- 普段は何時ごろ退社する社員が多いか
- 定時で帰る社員もいるか
- 繁忙期はいつで、どの程度忙しくなるか
- 配属予定部署ではどんな仕事を担当するか
- 入社後、最初に任される仕事は何か
「残業が少ない会社がいい」で終わらせず、「普段の退社時刻を聞く」ところまで具体化する。そうすると転職軸が会社選びに使える判断基準になります。
求人票のどこを見る?では、求人票と実際の働き方を照らし合わせるポイントを整理しています。
「今いる会社が人生のすべてではない」と考える
転職を4回してきて感じるのは、会社が変わると仕事内容、人間関係、評価、働き方は大きく変わるということです。
今の会社が合わないからといって、自分の仕事人生すべてが合わないわけではありません。
転職しない選択にも軸は使える
条件を整理した結果、「今の会社でも変えられる」「異動で解決できる」と分かることもあります。
転職軸は辞めるためではなく、判断するための道具です。
求人を見るたびに軸を変えない
魅力的な求人を見ると、最初は重視していなかった条件まで重要に見えることがあります。
迷ったら最初のメモへ戻ります。
選考が進んだら軸は更新していい
実際に企業と話して初めて気づく条件もあります。
ただし、なぜ優先順位を変えたのか理由を残しておくと判断がぶれません。
私が実際に転職先を選ぶときに見ていた3つの条件
私自身が転職するとき、特に重視していたのは次の3つでした。
- 勤務地
- 年収
- 仕事内容が自分の得意分野か
どれも特別な条件ではありませんが、転職を何度か経験すると、「何となく良さそうな会社」ではなく、自分が長く働ける条件を具体的に持つことの大切さを感じます。
新卒時の私は、企業研究も自己分析もほとんどせず、「まあ、いっか」という感覚で就職先を決めました。その後、働き方のペースを崩して体調を崩した経験もあります。
だから今は、会社へ過度な期待をするより、自分が何を譲れないか、何なら妥協できるかを先に決めてから求人を見る方が現実的だと考えています。
私の場合、勤務地と年収だけでなく、「仕事内容が自分の得意分野か」を見るようになりました。
転職軸は、理想の会社を探すための条件ではなく、自分が無理なく働き続けるための最低条件を決めるものだと思っています。
求人票を見るときは、求人票のどこを見る?もあわせて確認してください。
転職軸が決まったら、次は面接で退職理由をどう伝える?と中途採用の志望動機へ進んでください。「今の会社で変えたいこと」と「次の会社を選ぶ理由」を同じ軸でつなぐと、応募書類と面接で話がぶれにくくなります。
まとめ
転職軸は、今の会社で変えたいことを、次の会社で確認できる条件へ変換するものです。
絶対・希望・妥協可能の3段階に分け、会社名や年収だけでなく仕事内容と生活全体を見てください。
求人票のどこを見る?へ進むと、軸を求人へ当てはめられます。


