総務の年間スケジュール|月別の仕事内容・繁忙期・年間行事を実体験で解説
「総務は1年間でどのような仕事をしているの?」
総務の仕事というと、備品管理、郵便物、来客対応など、毎日の仕事をイメージする方が多いかもしれません。
しかし、総務には毎日の仕事だけでなく、年に一度しか行わない仕事がたくさんあります。
入社式。
新卒採用。
決算。
夏季休暇。
内定式。
年末年始。
年間カレンダーの作成。
一つひとつの業務は毎年行っていても、次に担当するのは1年後です。
そのため私は、
総務の年間業務は、8割が段取り
だと思っています。
総務の普段の仕事内容については、こちらの記事で詳しく紹介しています。
総務の仕事内容とは?10年以上働いてわかった「本当の仕事」を現役総務が解説
今回は、総務歴10年以上の私が、実際に経験してきた仕事をもとに、1月から12月までの総務の年間スケジュール、繁忙期、毎月行う仕事、年間業務を忘れないための管理方法について解説します。
- 総務の年間スケジュール一覧
- 1月|年始行事から一年が始まる
- 2月|決算と年度末へ向けて準備する
- 3月|決算・年度末・新年度準備が重なる
- 4月|入社式と組織変更で大忙し
- 5月|新卒選考を進める
- 6月|新卒向けの会社見学会を行う
- 7月|通常業務を進めながら夏季休暇へ備える
- 8月|夏季休暇中も会社を維持する
- 9月|下期を意識して仕事を整理する
- 10月|内定式を行う
- 11月|年末行事のスケジュールを作る
- 12月|年末行事が集中する
- 年間行事とは別に毎月行う仕事がある
- 特に忙しいのは年末年始・4月・夏季休暇前後
- 年に一度の仕事ほど前年の情報を残す
- 年間スケジュールはExcelで管理している
- 法令や労務に関係する年間業務は特に忘れない
- 年間スケジュールを作っても予定どおりには進まない
- 総務の年間業務は8割が段取り
- まとめ
総務の年間スケジュール一覧
私が経験してきた職場では、おおむね次のような年間スケジュールで仕事を進めています。
会社の業種、規模、決算月、採用方針などによって仕事内容や時期は変わるため、一例として参考にしてください。
| 月 | 主な総務業務 |
|---|---|
| 1月 | 参拝、賀詞交歓会、年始のあいさつ回り |
| 2月 | 決算・年度末前の準備、レポート作成 |
| 3月 | 決算、年度末締め、入社式準備、36協定、年間カレンダー作成 |
| 4月 | 入社式、新人研修、組織図変更、基幹システム年度更新 |
| 5月 | 新卒選考 |
| 6月 | 新卒向け会社見学会 |
| 7月 | 通常業務、夏季休暇に向けた準備 |
| 8月 | 夏季休暇対応 |
| 9月 | 通常業務、下期に向けた準備 |
| 10月 | 内定式 |
| 11月 | 年末行事のスケジュール作成 |
| 12月 | 大掃除、あいさつ回り、お歳暮発送、ごみの分別など |
こうして並べると、年間を通して何かしらの仕事があることが分かります。
さらに、この年間行事と並行して、毎月の定例業務や社員からの問い合わせ、PC・ネットワーク障害などの突発対応も発生します。
1月|年始行事から一年が始まる
1月は年始行事から始まります。
私が経験してきた会社では、
- 神社への参拝
- 賀詞交歓会
- 取引先へのあいさつ回り
などを行います。
年始の仕事は、1月になってから準備するのでは遅いものもあります。
誰がどこへあいさつに行くのか。
参加する行事は何か。
必要な手土産はあるか。
スケジュールはどうするのか。
こうした内容は、前年12月の段階である程度決めておきます。
総務の年間業務は、その月だけを見て仕事をするのではなく、常に次の月を意識して動く必要があります。
2月|決算と年度末へ向けて準備する
2月に入ると、年度末を意識した仕事が増えてきます。
私の職場では、
- 決算に向けた準備
- 各種レポート作成
- 年度末に必要になる資料の整理
などを進めます。
3月になってから一気に資料を集めようとすると、確認や修正に時間がかかります。
必要な数字はそろっているか。
提出していない部署はないか。
前年と比較して異常な数字はないか。
少しずつ準備を始めることで、3月の負担を減らします。
3月|決算・年度末・新年度準備が重なる
3月は、年間でも特に仕事が集中する時期です。
私の職場では、
- 決算業務
- 売上の年度締め
- 勤怠の締め
- 経費の締め
- 入社式の準備
- 36協定に関する手続き
- 年間カレンダーの作成
などを行います。
年度を締める仕事と、4月から始まる新年度の準備が同時に進みます。
目の前では今年度を終わらせながら、頭の中では翌年度を始めなければなりません。
なお、36協定は、法定労働時間を超える時間外労働や法定休日の労働を行わせる場合に、労使で協定を締結し、所轄の労働基準監督署へ届け出る制度です。
また、1年単位の変形労働時間制を採用している場合には、年間の労働日・休日を決めたうえで、所定の協定届などの手続きが必要になります。
実際の手続きは会社の勤務制度によって異なるため、自社の制度に合わせて確認する必要があります。
4月|入社式と組織変更で大忙し
4月も、総務にとって忙しい時期です。
特に新卒採用を行っている会社では、
- 入社式
- 新人研修
- パソコンの準備
- アカウントの発行
- 社員情報の登録
- 組織図の変更
- 基幹システムの年度更新
などが重なります。
新入社員を一人迎えるだけでも、総務、採用、労務、情シスなど複数の仕事が発生します。
特に私の場合は総務とITの仕事も担当してきたため、入社前にはパソコンの準備やシステム設定も行います。
総務と情シスを兼任するとどのような仕事が発生するのかは、以下の記事で詳しく紹介しています。
総務と情シスを兼任するとどうなる?一人情シスの仕事内容・メリット・限界を実体験で解説
4月1日に新入社員が来てから、
「パソコンがありません」
「アカウントを作っていません」
では遅いですよね。
4月の仕事ほど、3月以前の段取りが重要になります。
5月|新卒選考を進める
4月の新入社員対応が落ち着き始めると、次の採用活動が進みます。
私の職場では5月に新卒選考を行います。
書類選考。
面接。
社内の日程調整。
応募者への連絡。
選考結果の管理。
採用担当だけで完結するものではなく、面接を担当する社員や経営陣との調整も必要です。
今年入社した社員を迎えながら、すでに翌年の採用を進めている。
これも総務・採用業務の特徴です。
6月|新卒向けの会社見学会を行う
6月には、新卒学生を対象とした会社見学会を行います。
学生に実際の職場を見てもらい、
- 会社がどのような仕事をしているのか
- どのような社員が働いているのか
- 職場はどのような雰囲気なのか
- 入社後にどのような仕事をするのか
を知ってもらいます。
会社側が学生を選ぶだけではありません。
学生からも会社を見られています。
そのため、採用サイトや求人票だけでは伝わらない会社の姿を、実際の職場で知ってもらう機会だと考えています。
見学ルート。
説明する社員。
会議室。
配布資料。
当日の進行。
こうした準備も総務や採用担当が調整します。
7月|通常業務を進めながら夏季休暇へ備える
7月は大きな年間行事が比較的少ない時期ですが、何もしないわけではありません。
8月の夏季休暇へ向けて準備を始めます。
長期休暇になると、
- ホームページの休業案内
- 留守番電話
- 郵便物
- 設備
- セキュリティ
- 緊急連絡体制
など、普段とは違う対応が必要になることがあります。
休暇直前になって慌てないよう、必要な作業を洗い出します。
年間スケジュールに余裕がある月ほど、翌月以降の準備へ時間を使えるようにしています。
8月|夏季休暇中も会社を維持する
8月は夏季休暇への対応があります。
社員が休んでいても、会社そのものがなくなるわけではありません。
郵便物は届きます。
設備は動いています。
サーバーやネットワークも稼働しています。
ホームページを見て連絡するお客様もいます。
長期休暇前には、
- 休業案内
- 留守番電話の設定
- 設備の確認
- 戸締まり
- ごみの処理
- 緊急時の連絡方法
などを確認します。
休暇中に問題が起きないように準備する。
そして、休暇明けに会社がスムーズに動き出せる状態にする。
これも総務の仕事です。
9月|下期を意識して仕事を整理する
9月は、私の年間スケジュールでは比較的大きな行事が少ない月です。
こうした時期は、通常業務を進めながら、下期に向けた仕事を整理します。
年末までに何をする必要があるか。
システムや設備で対応すべきことはないか。
翌年度に向けて準備すべきことはないか。
繁忙期だけを見ていると、毎回直前に慌てることになります。
比較的落ち着いている時期を、次の繁忙期の準備に使います。
10月|内定式を行う
10月には内定式があります。
翌年入社予定の学生にとっては、入社前の大きな節目になります。
会場の準備。
資料の準備。
経営陣や参加社員との日程調整。
学生への案内。
当日の進行。
一つの行事を実施するためにも、多くの事前調整があります。
新卒採用は、募集して終わりではありません。
選考。
会社見学。
内定。
内定式。
入社準備。
入社式。
一つの採用が、年間を通して続いています。
11月|年末行事のスケジュールを作る
11月になると、12月の年末対応を本格的に考えます。
年末は通常業務に加えて、さまざまな行事が重なります。
そのため、私は年末行事のスケジュールを事前に作ります。
誰が何をするのか。
いつまでに終わらせるのか。
どの部署へ協力を依頼するのか。
先に決めておけば、12月になってから慌てる必要がありません。
総務の仕事は、自分だけで完結するものが少ないため、周囲の予定も考えながら準備する必要があります。
12月|年末行事が集中する
12月は総務にとって忙しい月の一つです。
私の職場では、
- 大掃除
- 年末のあいさつ回り
- お歳暮の発送
- ごみの分別・処理
- 年末年始の休業対応
などがあります。
大掃除一つを取っても、社員全員へ、
「この日に掃除してください」
と伝えるだけでは終わりません。
どこを誰が担当するのか。
粗大ごみはどうするのか。
通常のごみ収集日はいつまでなのか。
必要な清掃用品はあるか。
会社によっては、業者との調整も必要です。
そして12月の仕事が終わる頃には、すでに1月の参拝や賀詞交歓会、あいさつ回りの準備が始まっています。
一年が終わると、また次の一年が始まります。
年間行事とは別に毎月行う仕事がある
ここまで紹介したのは、主に年間行事です。
実際には、これらと並行して毎月の定例業務があります。
私の場合は、
- 勤怠締め
- 月末締め
- 銀行残高確認
- 支店視察
- 請求関連
- システム確認
- 経費精算
などを行います。
つまり、
年間業務+毎月の仕事+毎日の仕事+突発対応
を同時に進めています。
総務の具体的な一日の流れについては、以下の記事で詳しく紹介しています。
総務の1日の流れとは?仕事内容・繁忙期・突発対応を総務歴10年以上が解説
年間カレンダーだけを見ると余裕があるように見える月でも、通常業務がなくなるわけではありません。
特に忙しいのは年末年始・4月・夏季休暇前後
私の経験では、特に忙しくなるのは次の3つの時期です。
年末年始
通常業務に加えて、
- 大掃除
- ごみ処理
- 年末年始の休業対応
- あいさつ回り
- お歳暮
- 参拝
- 賀詞交歓会
などが続きます。
12月と1月は別々の月ですが、総務としては一つの大きな年間行事として考えています。
4月の新卒入社・新年度
4月は、
- 入社式
- 新人研修
- 組織変更
- パソコンやアカウントの準備
- 基幹システムの年度更新
などが重なります。
そのため、実際の準備は3月以前から始まっています。
8月の夏季休暇前後
長期休暇前には、会社を安全に停止・維持するための準備が必要です。
さらに休暇明けには、止めていたものを通常運用へ戻します。
「社員が休みだから総務も何もしなくてよい」というわけではありません。
年に一度の仕事ほど前年の情報を残す
総務の年間業務で特に大切にしているのが、前年の情報を残しておくことです。
年に一度しか行わない仕事は、次に担当するときには1年経っています。
去年、
「これは忘れないようにしよう」
と思ったことも、1年後には意外と忘れています。
そのため、
- いつ始めたか
- 誰へ連絡したか
- 何を準備したか
- どの書類を使ったか
- 何日前に案内したか
- 何が問題になったか
- 来年は何を変えたいか
を残しておきます。
前年の資料があれば、
「去年どうしたっけ?」
から始める必要がありません。
前年をベースに、今年変更する部分だけを考えられます。
これは効率化だけでなく、担当者が変わった場合の属人化対策にもなります。
属人化を減らすための業務改善については、こちらの記事でも詳しく紹介しています。
総務の業務改善は何から始める?成功・失敗事例と進め方を実体験で解説
年間スケジュールはExcelで管理している
私は年間業務をExcelで管理しています。
高度なシステムを使わなくても、
- いつ
- 何をするのか
- いつから準備するのか
- 前年はどうしたのか
が分かれば、年間管理はできます。
年間業務は、忘れてから対応するのでは遅いものがあります。
そのため、Excelで一年を俯瞰できるようにしておきます。
1月になったら1月だけを見るのではありません。
1月には2月、3月を見る。
2月には3月、4月を見る。
常に翌月以降を意識します。
これだけでも、仕事の進め方はかなり変わります。
法令や労務に関係する年間業務は特に忘れない
総務の年間業務には、社内行事だけでなく、法令や労務管理に関わるものもあります。
たとえば私の業務では、
- 36協定などの労務手続き
- 年次有給休暇の付与管理
- 健康診断
- 勤怠管理
などがあります。
年次有給休暇には法定の付与要件があり、定期健康診断も常時使用する労働者について原則として1年以内ごとに1回実施することが定められています。
こうした仕事は、
「忙しかったので忘れていました」
では済みません。
そのため、年間スケジュールへ入れ、事前に準備することが重要です。
なお、具体的な手続きや対象者、時期は会社の制度や労働条件によって異なるため、実務では最新の法令や所轄官署の案内を確認する必要があります。
年間スケジュールを作っても予定どおりには進まない
どれだけ年間スケジュールを作っていても、総務の仕事がすべて予定どおりに進むわけではありません。
特に影響が大きいのが、PCやネットワークの障害です。
ネットワークに障害が発生すると、一人の社員だけでなく、全社員の仕事が止まる可能性があります。
メール。
Webシステム。
基幹システム。
共有ファイル。
会社によっては電話まで使えなくなることがあります。
そのような場合は、予定していた年間業務よりも、会社の業務を復旧させることを優先します。
年間スケジュールは、絶対にそのとおりに行動するためのものではありません。
予定外の仕事が入ったときでも、
「今月中に何を終わらせなければならないか」
を見失わないためのものです。
総務の年間業務は8割が段取り
総務の年間業務を10年以上経験して感じるのは、8割が段取りだということです。
当日の仕事だけを見ると、
入社式を行う。
内定式を行う。
会社見学会を行う。
大掃除を行う。
という一日だけの仕事に見えるかもしれません。
しかし、その一日のために、
何週間も前から予定を決める。
関係者へ連絡する。
資料を作る。
必要なものを準備する。
社員へ周知する。
問題がないか確認する。
という仕事があります。
むしろ、当日より準備の方が長い仕事もあります。
段取りができていれば、当日は確認しながら予定どおり進められます。
段取りができていなければ、当日に問題が集中します。
総務は、問題が起きてから対応するだけの仕事ではありません。
問題が起きないよう、先に準備しておく仕事でもあります。
まとめ
総務の年間業務は、8割が段取りです。
1月の年始行事。
3月の決算や年度末。
4月の入社式。
5月・6月の新卒採用。
8月の夏季休暇。
10月の内定式。
12月の年末行事。
年間を通して、さまざまな仕事があります。
さらに、毎月の勤怠締め、経費精算、銀行残高確認などの日常業務も並行して進めます。
そして、PCやネットワーク障害など、予定していなかった仕事も入ります。
だからこそ重要なのが、前年の情報を残しておくことです。
年に一度の仕事は、次に行うまで一年空きます。
去年の資料、スケジュール、反省点を残しておけば、ゼロから考える必要はありません。
年間スケジュールを把握しておくことで、目の前の仕事だけに追われず、常に翌月以降を意識して仕事ができます。
「今月は何をするか」
だけではなく、
「来月のために、今月何をしておくか」
を考える。
それが、総務の年間業務を安定して回すために大切なことだと思います。

