未経験から総務に転職できる?総務歴10年以上・採用担当経験者が狙い方を解説
「総務に転職したいけど、未経験でも採用される?」
「営業しか経験していないけど、総務になれる?」
「総務になるには資格が必要?」
未経験から総務への転職を考えると、こんな疑問を持つ方も多いと思います。
私はこれまで3社で総務を経験し、採用担当として採用する側にも立ってきました。
その経験から最初に結論を言うと、
未経験からでも総務への転職は可能です。
むしろ私は、
営業や販売、現場などを経験していることが、総務として強みになる場合もある
と思っています。
総務は会社全体を支える仕事です。
だからこそ、
「実際に現場で働く人が何に困っているのか」
を知っていることは大きな武器になります。
ただし、
「総務って楽そうだから転職したい」
という理由だけで目指すと、入社後にギャップを感じるかもしれません。
今回は総務・採用などバックオフィスを10年以上経験してきた私が、未経験から総務を目指す方法について、総務側と採用側の両方の視点から紹介します。
- 結論、未経験からでも総務には転職できる
- 現場経験は総務の武器になる
- 「現場を知らない総務」には見えないことがある
- 営業や販売経験は「採用」で活かせる
- 総務未経験者は「できないこと」より「持っているもの」を探す
- 「総務は楽そうだから」は少し危ない
- 総務は「広ーーく、そこそこ知っている」が必要
- 総務には「前例がない仕事」も多い
- 未経験なら中小企業を狙うべき?
- 中小企業ほど「オールラウンダー」を求められることがある
- 未経験者は「前職×総務」で考えてみる
- 特に「総務+簿記」「総務+IT」は相性がいい
- 未経験から総務を目指すなら資格は必要?
- 私が簿記をおすすめする理由
- 簿記から先の選択肢も広い
- ITパスポートも悪い資格ではない。ただし誤解には注意
- 衛生管理者は会社によって活かしやすさが変わる
- 採用担当として「この人なら総務を任せられそう」と思う人
- 「苦手だけどやってみます」と言える人は強い
- 「人と話したくないから事務職」はおすすめしない
- 30代・営業職・総務未経験なら、私はこう転職活動する
- STEP1 今まで「総務がいて助かったこと」を書き出す
- STEP2 「総務がいてくれたら助かったこと」を考える
- STEP3 「自分はそんな総務になりたいか」を考える
- STEP4 求人は最初から絞りすぎない
- STEP5 職務経歴書では「現場経験」を弱みにしない
- 未経験だからこそ作れる総務がある
- 未経験から総務を目指す人へ
結論、未経験からでも総務には転職できる
総務未経験だからといって、それだけで採用対象外になるとは限りません。
たとえば、
営業3年。
販売職5年。
こうした人でも、私は十分に採用対象になると思っています。
なぜなら、
現場を知っていること自体が、総務の仕事に活かせるからです。
総務の仕事は、総務部の中だけで完結するものではありません。
社員が使うもの。
社員が利用する制度。
社員が操作するシステム。
会社全体に関わるものを扱います。
だから、
「実際に使う人の気持ちが分かる」
ことは、とても大切です。
現場経験は総務の武器になる
たとえば社用車。
総務がリース車両を選定するとします。
カタログの数字だけを見て、
「これが安いから、この車にしよう」
と決めればいいわけではありません。
実際に営業社員が使うなら、
荷物はどのくらい積むのか。
一日にどのくらい走るのか。
狭い道を走ることはあるのか。
長距離移動は多いのか。
現場での使いやすさを考える必要があります。
PCも同じです。
価格だけで決めるのではなく、
どんなソフトを使うのか。
持ち運ぶのか。
画面サイズはどうするのか。
必要なスペックはどのくらいなのか。
利用する社員の業務を理解しなければ、本当に使いやすいPCは選べません。
「現場を知らない総務」には見えないことがある
経費精算システムを導入するときもそうです。
総務側から見れば、
「この入力方法で問題ない」
と思うかもしれません。
でも実際に使う営業社員からすると、
「外出先から入力しにくい」
「同じ情報を何回も入力している」
「この項目、本当に必要?」
ということがあります。
現場経験のない総務なら、社員にヒアリングして初めて気づくこともあります。
でも、自分自身に現場経験があれば、
「これ、現場では使いにくいんじゃない?」
と気づけることがあります。
だから私は、
未経験だから不利とは限らない
と思っています。
むしろ、
「前職の経験を総務でどう活かすか」
を考えることが重要です。
営業や販売経験は「採用」で活かせる
特に活かしやすいのが、
採用業務
だと思います。
営業経験者なら、人前で説明することに慣れている人も多いでしょう。
プレゼンテーション。
顧客とのコミュニケーション。
電話対応。
メール。
レスポンス。
相手の話を聞く。
こうした能力は採用でも使います。
会社説明会で学生に説明する。
応募者と連絡を取る。
面接をする。
人材紹介会社とやり取りする。
社内の面接官と調整する。
採用は、
かなり「人と関わる仕事」です。
販売職も同じです。
接客経験がある。
初対面の人と話せる。
相手に合わせて説明できる。
こうした経験は、十分に活かせます。
総務未経験者は「できないこと」より「持っているもの」を探す
未経験から総務を目指す人は、
「総務経験がありません」
ということばかり気にしてしまうかもしれません。
でも、私は逆だと思っています。
営業をしていた。
販売をしていた。
現場で働いていた。
店舗を運営していた。
後輩を教育した。
クレーム対応をした。
Excelで数字を管理した。
スケジュールを調整した。
取引先と交渉した。
これらの中には、総務で使える経験があります。
だから転職活動では、
「総務未経験です」だけで終わらせないこと。
前職で○○を経験した。
↓
その経験を総務の○○で活かせる。
↓
だから社員を支える総務になりたい。
ここまでつなげることが大切です。
「総務は楽そうだから」は少し危ない
一方で、総務を目指す理由が、
「楽そうだから」
だけなら、少し注意が必要です。
確かに、総務には営業のような売上ノルマが基本的にありません。
外回りも少なく、デスクワークが中心です。
肉体労働と比較すれば、身体的な負担が少ない職場もあるでしょう。
私自身、営業と比較すれば総務は働きやすいと感じています。
総務の働きやすさについては、「総務は楽な仕事?総務歴10年以上の私が『営業より楽』と思う理由」でも詳しく書いています。
ただし、
「楽=簡単」ではありません。
総務は「広ーーく、そこそこ知っている」が必要
総務の難しいところは、
とにかく守備範囲が広いこと
です。
法律。
労務。
PC。
システム。
契約。
設備。
車両。
防災。
採用。
会社によって担当範囲は違いますが、さまざまな知識が必要になります。
もちろん、すべての専門家になる必要はありません。
でも、
「広ーーく、そこそこ知っている」
ことが求められます。
そして分からないことが出てきたら、
調べる → 考える → 相談する → 決める
この繰り返しです。
総務には「前例がない仕事」も多い
総務には、
「去年と同じようにやればいい」
という仕事もあります。
一方で、
前例がない仕事
も突然やってきます。
新しいシステムを導入する。
新しい制度を作る。
会社を移転する。
災害が起きる。
今までにないトラブルが起きる。
「マニュアルの42ページに答えがあります」
とは限りません。
やってみないと分からない。
調べても正解が一つではない。
そんなこともあります。
だから総務には、
分からないことに向き合える力
が必要です。
未経験なら中小企業を狙うべき?
未経験から総務への転職方法を調べると、
「まずは中小企業の総務を狙いましょう」
という話を見かけることがあります。
私は、
必ずしもそうとは限らない
と思っています。
むしろ、中小企業の方が難しいケースもあります。
理由は、
一人あたりの守備範囲が広くなりやすいからです。
中小企業ほど「オールラウンダー」を求められることがある
ある程度規模の大きな会社では、
人事部。
総務部。
情報システム部。
広報部。
法務部。
経理部。
と、それぞれ専門部署に分かれていることがあります。
すると、
「採用担当」
「給与担当」
「PC管理担当」
のように、担当業務が比較的明確になります。
一方、中小企業では専門部署をすべて設置できるとは限りません。
すると、
「管理部」
のような部署で複数の業務を担当することがあります。
総務。
採用。
経理。
情シス。
広報。
いろいろな仕事を少人数で担当することもあります。
だから、
「未経験だから、とりあえず中小企業」
とは限りません。
求人票をよく見て、
実際に何を担当するポジションなのか
を確認することが大切です。
未経験者は「前職×総務」で考えてみる
私がおすすめしたいのは、
前職の経験と総務を掛け合わせること
です。
たとえば、
営業経験 × 総務・採用。
経理経験 × 総務。
IT経験 × 総務・情シス。
広報経験 × 総務・広報。
こうすると、
「総務は未経験です」
だけではなくなります。
「総務は未経験ですが、この部分なら即戦力になれます」
と言えるからです。
求人を探すときも、
「総務」
だけで検索するのではなく、
「総務 採用」
「総務 経理」
「総務 情シス」
など、自分の経験と組み合わせて探す方法があります。
特に「総務+簿記」「総務+IT」は相性がいい
総務と相性がいい分野として、私は、
経理とIT
に注目しています。
総務と経理をまとめて、
「管理部」
としている会社もあります。
そのため、簿記の知識があれば、
「総務経理」
のような求人も選択肢になります。
また、総務がPC管理やシステム運用を担当する会社もあります。
ITに強ければ、
「総務+情シス」
というポジションも狙えます。
「総務経験がない」
という弱みだけを見るのではなく、
自分が何を足せるのか
を考えてみると、求人の見え方が変わります。
未経験から総務を目指すなら資格は必要?
結論から言うと、
資格はあるに越したことはありません。
ただし、
「この資格を取れば総務になれる」
という絶対的な資格があるわけではありません。
その中で、私が一つおすすめするなら、
簿記
です。
私が簿記をおすすめする理由
理由はシンプルです。
会社とお金は切り離せないからです。
多くの会社には経理機能があります。
自社で経理をしている会社もあれば、一部を外部へ委託している会社もあります。
どちらにしても、
売上。
利益。
経費。
資産。
負債。
会社を経営する以上、お金の話は必ず出てきます。
簿記を勉強すると、
会社のお金がどう動いているのか
を理解する基礎になります。
総務も会社のお金を使います。
設備を購入する。
PCを買う。
リース契約をする。
システムを導入する。
予算を管理する。
だから経理担当にならなくても、簿記の知識が役立つ場面があります。
簿記から先の選択肢も広い
簿記を学ぶことで、キャリアの選択肢も広がります。
簿記の学習を深める。
会計について学ぶ。
経営について学ぶ。
さらに専門的な資格へ進む。
総務だけではなく、
経理。
財務。
経営企画。
管理部門。
さまざまな方向へ知識を広げられます。
そのため、
「総務を目指しているけど、何か一つ勉強したい」
と相談されたら、私は簿記を候補に挙げます。
総務におすすめの資格については、次の記事で詳しく紹介します。
ITパスポートも悪い資格ではない。ただし誤解には注意
最近はITパスポートも人気があります。
ITの基礎知識を幅広く学べるため、総務との相性も悪くありません。
ただし、少し注意があります。
ITパスポートという名前から、
「PCにめちゃくちゃ詳しい人」
「プログラミングができる人」
というイメージを持たれる可能性があります。
実際には、それだけを証明する資格ではありません。
ITだけでなく、企業活動やマネジメントなども含む幅広い基礎知識を扱います。
そのため履歴書に書くなら、
「資格を持っています」だけではなく、何を学び、総務でどう活かしたいか
まで説明できるといいと思います。
衛生管理者は会社によって活かしやすさが変わる
衛生管理者も総務と関係の深い資格です。
ただし、業種などによって必要となる資格区分が異なる場合があります。
そのため、
「とりあえず取得すれば、どの会社でも最強」
というものではありません。
応募したい会社や業界との相性も考えた方がいいでしょう。
資格については、
「何となく総務っぽいから取る」
のではなく、
「どんな会社で、どう使える資格なのか」
まで考えることをおすすめします。
※資格要件や選任要件などは、応募先の業種・事業場の状況や最新制度を必ず確認してください。
採用担当として「この人なら総務を任せられそう」と思う人
私自身、採用担当として採用する側も経験してきました。
もし未経験者を総務として採用するなら、資格だけを見るわけではありません。
私が重視したいのは、
- 分からないことを自分で調べられる
- 雑用を嫌がらない
- PCに抵抗がない
- 口が堅い
- 相手によって態度を大きく変えない
- 苦手なことでも「やってみよう」と思える
こういう人です。
特に、
好奇心
は大切だと思います。
「苦手だけどやってみます」と言える人は強い
総務をしていると、自分の得意分野だけを選べないことがあります。
「PCは苦手なので絶対無理です」
「法律は嫌いなのでやりません」
「人前では絶対話したくありません」
すべてを拒否してしまうと、総務では苦労するかもしれません。
苦手でもいいと思います。
私自身、最初からすべてできたわけではありません。
大切なのは、
「分からないけど、とりあえず調べてみます」
と言えること。
この姿勢がある人は、総務として成長できる可能性があると思っています。
総務に向いている人については、「総務に向いている人・向いていない人」でも詳しく紹介しています。
「人と話したくないから事務職」はおすすめしない
これは特に伝えておきたいことです。
もし、
「人と話すのが嫌なので、総務のような事務職に転職したいです」
という理由なら、私はあまりおすすめしません。
総務は意外と人と話します。
社員から問い合わせが来ます。
役員と話します。
業者と交渉します。
社労士や弁護士などの専門家と話すこともあります。
ときには社員からクレームを受けることもあります。
総務は、
PCとだけ会話する仕事ではありません。
むしろ会社全体と関わるからこそ、一定のコミュニケーション能力が必要です。
30代・営業職・総務未経験なら、私はこう転職活動する
では具体的に、
30代・営業職・総務未経験
の人から、
「総務に転職したいです。何をすればいいですか?」
と相談されたとします。
私なら、次の順番で考えてもらいます。
STEP1 今まで「総務がいて助かったこと」を書き出す
まず、
今まで総務に助けてもらった経験
を思い出してみてください。
PCが壊れたとき。
入社したとき。
引っ越して住所が変わったとき。
経費精算が分からなかったとき。
社用車で困ったとき。
健康診断。
会社の制度。
何かあると思います。
そして、
「なぜ助かったのか」
まで考えてみます。
STEP2 「総務がいてくれたら助かったこと」を考える
もし総務に助けてもらった記憶がなければ、
逆に考えます。
「あのとき、こんな総務がいてくれたら助かったな」
という経験はありませんか?
使いにくいシステム。
分かりにくいルール。
壊れたままの設備。
面倒な経費精算。
誰に聞けばいいのか分からない問題。
現場で働いていたからこそ、見えるものがあります。
STEP3 「自分はそんな総務になりたいか」を考える
ここが重要です。
総務は、
社員を支える仕事
です。
目立たない仕事もあります。
雑用に見える仕事もあります。
自分の成果として名前が出ない仕事もあります。
それでも、
「人の役に立つことが好き」
「社員が働きやすくなるなら面白そう」
と思えるでしょうか。
もし、
「自分なら現場の気持ちが分かる総務になれるかもしれない」
と思えるなら、それは立派な志望動機の種になります。
STEP4 求人は最初から絞りすぎない
通勤時間。
年収。
休日。
どうしても譲れない条件。
まず最低条件を決めます。
その条件をクリアしたら、
最初から求人を絞りすぎない
ことも大切だと思います。
「総務」という名前だけでなく、
総務・人事。
総務・採用。
総務・経理。
管理部。
総務・情シス。
いろいろ検索してみます。
自分の前職経験を活かせる求人がないか探します。
STEP5 職務経歴書では「現場経験」を弱みにしない
営業から総務を目指すなら、
「総務未経験ですが、頑張ります」
だけでは弱いです。
たとえば、
営業として現場で業務を経験する中で、社内制度やシステムの使いやすさが業務効率に大きく影響することを実感しました。これまでの現場経験を活かし、実際に利用する社員の視点を持った総務として、働きやすい環境づくりに携わりたいと考えています。
こうすれば、
営業経験が「総務未経験」という弱みではなく、強みに変わります。
自分の経験を捨てて総務になるのではありません。
今までの経験を持って総務になる。
この考え方が大切です。
未経験だからこそ作れる総務がある
総務経験10年の人には、10年の強みがあります。
でも、
営業経験10年の人にも、その人にしかない強みがあります。
販売。
製造。
建設。
飲食。
IT。
それぞれの現場を知っているからこそ、
その現場で働く社員の気持ちが分かる総務
になれる可能性があります。
だから、
「総務経験がないから無理」
と最初から諦める必要はありません。
重要なのは、
これまでの経験を、総務でどう活かせるか。
ここを考えることです。
未経験から総務を目指す人へ
未経験から総務への転職は可能です。
ただし、
「楽そうだから」
「座っていられるから」
「人と話さなくてよさそうだから」
というイメージだけで転職すると、思っていた仕事と違うかもしれません。
総務は、
分からないことを調べる。
考える。
人に相談する。
決める。
社員に説明する。
そしてまた新しい問題が出てくる。
そんな仕事です。
でも、その分、
本当にいろいろな経験ができます。
現場経験も無駄ではありません。
営業経験も無駄ではありません。
販売経験も無駄ではありません。
今まで自分が働いてきた中で、
「こんな総務がいてくれたら助かったのに」
と思ったことを思い出してみてください。
そして、
自分がその総務になりたいと思えるか。
未経験から総務を目指すなら、私はまずそこから考えてみてほしいと思います。



