「総務に興味があるけど、自分に向いているのかわからない」

「総務って、几帳面でコミュニケーション能力が高い人じゃないとできないの?」

総務への就職や転職を考えている方の中には、このように悩んでいる方もいるかもしれません。

私はこれまで3社で総務を経験し、バックオフィスの仕事に10年以上携わってきました。

採用、契約書、就業規則、PC管理、システム導入、BCP、社用車管理、行政への届出など、本当にさまざまな仕事を経験してきました。

そんな私が思うのは、「最初から総務に向いている人」だけが総務になるわけではないということです。

実際、私は学生時代、PCがまったく得意ではありませんでした。

人と話すことより、一人で過ごす時間のほうが好きでした。

経営なんて「頭のいい人がやるもの」だと思っていました。

それでも10年以上、総務という仕事を続けています。

この記事では、実際に総務として働いてきた経験から、総務に向いている人・向いていない人の特徴についてお話しします。

総務に向いている人を考えるうえで、まず知っておきたいのが「総務は会社によって仕事内容が大きく違う」ということです。

備品管理だけでなく、採用、法務、情シス、BCP、社内制度など、担当範囲は会社によってさまざまです。私自身が10年以上の総務経験で担当してきた具体的な業務は、「総務の仕事内容とは?10年以上働いてわかった本当の仕事」で詳しく紹介しています。

総務に向いている人の3つの特徴

私が10年以上総務として働いてきて、「こういう人は総務に向いている」と思うのは、次の3つです。

人の役に立ちたいと思える人。

困っている人を助けたいと思える人。

そして、

「自分だったらこうしたい」という考えを持てる人。

私は特に、3つ目が重要だと思っています。

なぜなら、総務の仕事には明確な答えがないことが多いからです。

総務の仕事には「正解」がない

総務では、ケースバイケースで判断しなければならない場面がたくさんあります。

もちろん法律や就業規則など、守らなければならないルールはあります。

しかし、すべての問題にマニュアルがあるわけではありません。

「この場合はどう対応するのが一番いいだろう?」

「社員にとってはどうだろう?」

「会社としてはどうするべきだろう?」

いろいろな立場から考え、自分なりの答えを出す必要があります。

だから私は、単純に指示されたことだけを処理する人より、

「自分だったらこうする」と考えられる人

のほうが総務に向いていると思います。

「わからない」と言える人は総務に向いている

もう一つ、とても重要なのが、わからないことを確認できることです。

総務をしていると、本当にいろいろな人と話します。

社員、経営者、取引先だけではありません。

弁護士、社会保険労務士、税理士、行政、システム会社、保険会社など、専門家と話す機会もあります。

当然、知らない専門用語も出てきます。

そんなときに、わかったふりをしてしまうと仕事が止まります。

場合によっては、間違った処理につながることもあります。

だから、

「それはどういう意味ですか?」

「もう少し詳しく教えてもらえますか?」

と確認できることは、とても大切な能力だと思っています。

知らないことより、知らないまま進めることのほうが怖い。

総務では、そんな場面がたくさんあります。

苦手な人とも最低限話せる必要がある

総務には、営業とは少し違ったコミュニケーション能力が必要です。

会社によっては、

「全社員 対 総務部」

という構図になることがあります。

自分と気が合う人だけを相手にすることはできません。

若手社員もいれば、管理職もいます。

パート社員もいれば、経営者もいます。

当然、自分とは考え方が違う人や、少し苦手だと感じる人もいるでしょう。

それでも最低限のコミュニケーションを取る必要があります。

ただし、私は「話が上手な人でなければ総務はできない」とは思っていません。

むしろ重要なのは、相手の話をきちんと聞けることだと思います。

総務のコミュニケーションは「本音を聞く仕事」

営業と総務では、求められるコミュニケーションが少し違います。

営業にはBtoBやBtoCがあります。

一方、総務が向き合うのは、多くの場合、社員やその家族です。

例えば、

「会社を辞めようか悩んでいる」

「家族のことで相談したい」

「職場で困っていることがある」

そんな話を聞くこともあります。

そこで必要なのは、きれいなビジネストークだけではありません。

私は、本音で話してもらえる関係をつくることが重要だと思っています。

人の気持ちに寄り添いながら、それでも会社として必要な対応を考える。

これも総務の難しさであり、面白さだと思います。

感情で仕事をしてしまう人はつらいこともある

総務は、人を支える仕事です。

だからこそ、楽しい仕事ばかりではありません。

不採用通知。

退職。

解雇。

事故や怪我。

そして、社員や関係者の逝去。

総務を長く続けていると、こうした場面に関わることがあります。

悲しい出来事であっても、総務として必要な手続きを進めなければならないことがあります。

だから私は、感情に強く引っ張られてしまう人は、総務をつらいと感じることがあるかもしれないと思っています。

もちろん、冷たい人になる必要はありません。

むしろ、人の気持ちに寄り添うことは大切です。

ただ、

「寄り添うこと」と「感情だけで判断すること」は違う。

このバランスは、総務として働くうえで大切だと思います。

几帳面すぎる人が総務に向いているとは限らない

「総務は几帳面な人が向いている」

よく言われます。

確かに、几帳面さは大切です。

総務では行政への届出や契約書、勤怠、法律に関係する仕事もあります。

期限を間違えたり、数字を間違えたりできない仕事もあります。

ただ私は、細かければ細かいほど良いとは思っていません。

規則や法律を扱う仕事だからこそ、細かく考えすぎると仕事が進まなくなることがあります。

また、ルールを厳密に作りすぎた結果、

「誰も運用できない」

「現場では使えない」

ということも起こります。

ルールを守ることは大切です。

でも、ルールを守ること自体が目的になってはいけない。

私は、几帳面さは「ほどほど」がちょうどいいと思っています。

PCが苦手でも総務になれる?

結論から言えば、

なれます。

これは私自身がそうでした。

今では社内で「社内SE」「一人情シス」のように言われることもあります。

Microsoft 365、PC管理、システム導入、kintone、DXなどにも関わっています。

でも、学生時代の私はPCがまったく得意ではありませんでした。

オンラインゲームをインストールしたものの、ファイルを解凍することができず、PCを壊しかけたことがあるくらいです(笑)。

そんな私でも、少しずつ覚えました。

会社には、PCにものすごく詳しい人が何十人もいるとは限りません。

「誰もわからない」

ということもあります。

そうすると、

自分で調べるしかない。

検索して、試して、失敗して、また調べる。

私はそれを繰り返してきました。

その積み重ねが、いつの間にか知識になりました。

だから、今PCが苦手だからといって、総務を諦める必要はありません。

案外、やればできます。

あとは経験と勘です。

私自身、最初から総務に向いていたわけではない

振り返ってみると、私はもともと総務に向いていたわけではないと思います。

PCは苦手。

人と話すより一人でいるほうが好き。

経営なんて、自分とは遠い世界の話だと思っていました。

ただ、一つだけあったのが、

「自分にできることをやってみよう」という好奇心でした。

みんながわからないなら、自分で調べてみる。

誰もやったことがないなら、とりあえずやってみる。

当然、たくさん失敗しました。

でも、その失敗が積み重なりました。

経験。

勘。

そしてデータ。

それらが少しずつ蓄積されて、今では、

「これをやったら、次にこうなるかもしれない」

と、その先を想像できるようになりました。

総務の能力は、最初から持っていたものではありません。

仕事をしながら身につけてきたもののほうが圧倒的に多いです。

「自分は総務に向いていない」と決めなくていい

もし今、

「自分はコミュニケーションが苦手だから」

「PCが苦手だから」

「几帳面じゃないから」

という理由で総務を諦めようとしているなら、それだけで判断する必要はないと思います。

私自身がそうだったからです。

総務に必要な知識の多くは、仕事をしながら覚えられます。

それより私は、

人の役に立ちたい。

困っている人を助けたい。

もっとこうしたら良くなるんじゃないか、と考えられる。

そんな気持ちのほうが大切だと思っています。

20代の自分に「総務に向いてる?」と聞かれたら

もし20代の頃の自分から、

「俺って総務に向いてると思う?」

と聞かれたら。

私はこう答えると思います。

「向いていると思う。でも、仕事って考え方次第だから、総務以外にも挑戦してみたらいいんじゃない?」

「向いている仕事」を最初から見つける必要はないのかもしれません。

やってみて、失敗して、覚えて。

気がついたら、その仕事が自分の得意な仕事になっていることもあります。

私にとっては、それが総務でした。